世界遺産「日光山輪王寺」別院、日光湯元の「温泉寺」 日本の温泉街を歩いていると、「温泉寺」や「温泉神社」などに出会うことがあります。昔の人にとって、大地から滾々と湧き出す温泉は不思議な現象で、崇敬の対象でした。病苦を救う薬師如来を祀った温泉…
析出物が内側に堆積して今にも詰まりそうなパイプ(和歌山県花山温泉) 温泉に溶け込んでいた成分が固形化したものを析出物といいます。析出物の豊富な温泉はマニアをときめかせますが、宿や施設の管理者は絶えず苦労しています。析出物が床に堆積すると、凹…
下呂発温泉博物館の外観(岐阜県下呂温泉) 文部科学省のホームページによると、「博物館とは、歴史や芸術、科学技術、自然などに関する資料を収集・保管、研究、展示する場所」と定義されます。温泉に関わる博物館は海外にもありますが、前記の定義のどこに…
長湯温泉(大分県)長生湯の分析書の一部 多くの宿や施設が浴場の脱衣室や廊下などに「温泉分析書」を掲示しています。これは、源泉の温度、水素イオン濃度指数(pH値)、陽イオン・陰イオン別の成分、分量、組成などをまとめられたもので、その温泉の詳細な…
最新号はアルジェリアのハマム・メスクチーヌ温泉 筆者が「地球の歩き方」WEBマガジンで「世界の温泉」に関する連載記事を書いていることは、以前にブログで紹介しました。11月からWEBマガジンのレイアウトが一新され、以前にご案内したURLでは表示されなく…
杣(そま)温泉(秋田県)のライオン湯口。白い石膏状の析出物に覆われています 「世界の温泉 -ところ変われば」の第4弾は「湯口」です。温泉水の浴槽への注ぎ口を「湯口(ゆぐち)」と言います。単なるパイプだったり蛇口だったりするケースも多いですが、…
日本最古と言われる温泉マーク(群馬県の磯部温泉にて) 日本人にとって、「温泉マーク」はなじみ深く、♨は「おんせん」と入力すれば変換できるほどです。では、海外にも温泉マークはあるのでしょうか?あたり前のようですが、温泉が数多くあり、温泉利用の…
飯坂温泉(福島県)の温泉卵は人気が高く、駅の売店でも販売されています 日本の温泉では当たり前のものが海外でも存在しているかを調べて紹介する第二弾は温泉卵です。 高温の湯が湧く温泉地では「温泉卵(玉子)」が人気です。一口に温泉卵といっても、温…
湯の華を採取するための草津温泉(群馬県)の湯畑 日本の温泉では当たり前のものが海外にも存在するのかについて、数回に渡って紹介したいと思います。一回目は「湯の華(温泉の素)の販売」です。 温泉水に溶け込んでいた成分が固まったものを析出物と言い…
アクロポリスの丘に建つパルテノン神殿はギリシャのシンボル 前回に続き、世界遺産の観光と一緒に楽しめる温泉を紹介します。今回はギリシャの首都アテネです。古代文明に関心のある筆者は、温泉抜きでもいつかアテネを訪れたいと思っていました。調べてみる…
ぜひ見ておきたいテオティワカン遺跡のピラミッド 中国の世界遺産観光とともに訪ねることができる温泉を、これまで4回に渡って紹介してきました。今回からは、ほかの国の有名な世界遺産とともに訪ねられる温泉を採り上げます。まずはメキシコの首都、メキシ…
避暑山荘の山景区「古倶亭」から眺める外八廟は必見 【康熙帝と承徳避暑山荘】 中国の世界遺産と一緒に周辺の温泉を巡る第4弾は、河北省の「承徳避暑山荘」です。明王朝(1368~1644年)を打倒して建国した清王朝(1644~1912年)は、漢民族ではなく北方の満…
獅子山から眺める麗江旧市街。黒い瓦屋根の街並みが美しい 【麗江と大理】 中国の世界遺産を訪ねたついでに温泉も楽しむ特集の第三弾です。雲南省の麗江は少数民族のナシ族によって開かれた町で、標高2400メートルの高地にあります。昔ながらの面影を残す旧…
【世界最大の棚田を見たい】 前回に続き、行きたかった世界遺産を訪ねたついでに回ってみたローカル温泉の紹介です。筆者は棚田が好きで、日本でも各地の棚田を訪ねましたが、中国にはケタ違いに広大な棚田があります。南西部の雲南省南部にある紅河ハニ族イ…
温泉バカの筆者でも、時には温泉でない場所への旅を計画します。そんなときでも、周辺に温泉がないかどうかの調査は怠りません。全然見つからないこともありますが、まったく知られていないローカルな温泉が次々と見つかることもあります。今回は、中国の世…
新刊「さあ、海外旅行で温泉へ行こう」では6つのエリアを特集で採り上げました。オーロラ観光で人気のある極北の温泉大国、アイスランドもその一つです。世界最大級の露天風呂ブルーラグーンをはじめ、おすすめの温泉を紹介しましたが、紙数の都合からいくつ…
新刊「さあ、海外旅行で温泉へ行こう」では、ニュージーランド最大の温泉郷、ロトルアと周辺の温泉を特集で採り上げました。ロトルアから南のタウポまでの80キロは温泉探検街道の別名を持ち、20を超える温泉が鈴なりです。 そのうち、アクセスが特殊なため、…
インドで温泉?と思われるかもしれませんが、広い国土の至る所で温泉が湧いています。拙著「ほぼ本邦初紹介!世界の絶景温泉」では南部、ムンバイ周辺のアクロリ、ニンボリという素朴な温泉を、二冊目の「さあ、海外旅行で温泉へ行こう」では、北部のヒマー…
新刊「さあ、海外旅行で温泉へ行こう 親切ガイド 世界の名湯50選」の中で、トルコは「特集」として扱いませんでしたが、4つの温泉を紹介しました。その中でとてもユニークなのがシワス県のカンガル・バルクル温泉です。小魚が足の角質をついばみ、皮膚の状態…
前回に続き、新刊「さあ、海外旅行で温泉へ行こう 親切ガイド 世界の名湯50選」で紹介した温泉と一緒に回れる温泉を紹介します。今回はコスタリカのタバコン温泉です。 中米でもっとも有名な温泉といわれるコスタリカのタバコン・リゾート。温泉エリアは実に…
筆者の新刊「さあ、海外旅行で温泉へ行こう 親切ガイド 世界の名湯50選」の中で、ヨルダンのマイン温泉(上の写真)を紹介しました。豪快なうたせ湯を楽しめる落差25メートルの湯滝で、聖書にも登場するほどの歴史ある温泉です。マイン温泉のコラム欄で、車…
今回も、6月26日発売の海外温泉本第2弾、「さあ、海外旅行で温泉へ行こう 親切ガイド 世界の名湯50選(みらいパブリッシング)」関連の話題です。アマゾンの紹介ページはこちらです。 世界には5万を超える温泉がありますが、筆者が訪れたのは約1200。その中…
宣伝続きで恐縮ですが、前回に続いて、6月26日に発売される海外温泉本の第2弾「さあ、海外旅行で温泉へ行こう 親切ガイド 世界の名湯50選(みらいパブリッシング)」を紹介させていただきます。 アマゾンの紹介ページはこちらです。 海外での温泉入浴は未体…
「さあ、海外旅行で温泉へ行こう 親切ガイド 世界の名湯50選」のご紹介 昨年(2023年)6月に、「ほぼ本邦初紹介!世界の絶景温泉」という書籍を、みらいパブリッシングさんから出版していただいたのが、このブログをはじめたきっかけです。日本で知られてい…
前回に続き、かつて存在したアルツァフ共和国(ナゴルノカラバフ)の温泉を2016年に訪ねた旅を振り返ります。 アルツァフ共和国の「首都」と温泉(グーグルマップより) ステパナケルト(ハンケンディ)から日帰りで、イスティス温泉を目指します。2時間半ほ…
このブログを始めてから、来月(2024年6月)で満1年になります。これまでご覧くださった皆様、ありがとうございます。 各記事のアクセス数で常にベスト5に入っているのが「ナゴルノカラバフ」の温泉です。旧ソ連の構成国、アゼルバイジャンとアルメニアの係…
台湾では4月3日に花蓮県東方沖を震源とする地震が発生し、甚大な被害を生じました。被災された方、関係者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。 地震のニュースの中で、太魯閣(タロコ)峡谷(または太魯閣渓谷)という言葉が何度も登場しました。急流で浸…
一枚の写真に目を奪われ、「ここへ行きたい」と強く思うことがあります。今から約40年前の学生時代、五島列島の大瀬崎灯台、阿蘇の草千里、能登半島の軍艦島、知床のカムイワッカの湯滝などの写真を見て、「ここへ行きたい」と思ったのが、筆者の旅の原点で…
「地球の歩き方」WEBマガジンでの連載が始まりました(その2)! 温泉本「ほぼ本邦初紹介!世界の絶景温泉」の出版がご縁となり、先月から「地球の歩き方」のWEBマガジンに、世界の温泉旅行記の連載を始めました。タイトルは「絶景温泉探検家、鈴木浩大の世…
前回に続き、ネットもスマホもなかった時代の温泉探しの様子を紹介します。 1.JAF出版社の「車で行ける名湯・秘湯」 前回紹介した美坂哲男氏の温泉本と並んで、とても役に立ったのがJAF出版社の「車で行ける名湯・秘湯」シリーズです。1989年から1990年に…