世界の絶景温泉

世界の見知らぬ温泉を探して旅しています

A6 温泉のガイドブック④ 南アメリカ:アンデス山脈に沿って

 今回紹介するのはHot Springs of The Andes(アンデス山脈の温泉)です。南アメリカ大陸の西海岸は環太平洋火山帯に位置し、火山と温泉が豊富です。大陸を縦貫するアンデス山脈に沿って、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンの6カ国の温泉が紹介されています。緯度経度、源泉温度、宿泊施設の有無、アクセス方法などのほか、高地のアンデス山脈ゆえ、温泉地の標高も記されています。日本ではありえない、4000メートルを超える温泉も数多くあります。

 一般車で行けるか四輪駆動車が必要か、山歩きでしか行けないか、船や飛行機のチャーターが必要かなどのアクセス情報も記されています。カラー写真はなく、白黒写真がわずかにあるのみで、詳細な地図も掲載されていませんが、南米の温泉全体を概観できる英語のガイドブックとして貴重です。気になる温泉の基本的な情報はこの本でわかるので、それを元にウェブで検索してみると詳しい情報や温泉の画像に出会えます。2015年の出版ですが、今もアマゾンの洋書サイトで注文可能です。

左:Wise氏のHot Springs of the Andes(中身はすべて白黒)
右:朱塗りの遊歩道が印象的なヘオメトリカス温泉

 拙著「ほぼ本邦初紹介!世界の絶景温泉」では、チリの温泉を7か所紹介しましたが、この本はとても役立ちました。南北に細長いチリの中部プコン周辺の湯としてヘオメトリカス温泉Geometricasを紹介し、ペウマイェン温泉Peumayenとエルリンコン温泉El Rinconにも触れました。一帯には温泉が集中しているので、レンタカーを利用して他にも訪れたのですが、紙数の関係で紹介できませんでした。ウィフェ温泉Huifeは瀟洒なロッジで、温泉の特徴は薄いものの、温泉巡りの基点としての利用価値が大です。ポゾネス温泉Los Pozonesは川原にいくつかの岩風呂があり、奥飛騨の温泉郷を思い起こしました。

 地球の裏側にあるチリの温泉は周囲の景観と調和して、日本人にはとてもくつろげます。

左:ペウマイェン温泉は宿泊可能で、渓流沿いの露天風呂が美しい。
右:エルリンコン温泉では滝を眺めて浸かる露天風呂が並んでいる。
左:ウィフェ温泉はプールタイプの露天風呂だが、木造のロッジに宿泊可能。
右:ポゾネス温泉の巨岩を配した露天風呂はチリにいることを忘れてしまう。