世界の絶景温泉

世界の見知らぬ温泉を探して旅しています

C2 海外の温泉へ行く際の安全の判断は?

 世界各地のテロや事故、災害などの情報をニュースは報じます。一方、その国の人々がごく普通に暮らしている日常がニュースになることはありません。このため、海外旅行に慣れていない人は、必要以上に「その国は危険なのでは」と不安になるものです。

 現地の安全度をできるだけ客観的に判断する必要があるため、私はまず外務省の海外安全情報を参考にしています。国ごと、地域ごとの安全度が、次の5段階で示されています。

レベル1:十分注意してください→黄色。

レベル2:不要不急の渡航は止めてください→薄いオレンジ。

レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)→濃いオレンジ

レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)→赤

これに加えて、何も安全情報が発出されていない(問題ない)地域は白で表示されています(ここではレベル0と呼びます)。

 特徴的なのは、同じ国の中でも安全度はかなり異なるということです。下の図はトルコの例です。地図の右下、すなわちシリア国境に近い地域は危険度が高く、特に国境周辺はレベル4です。一方、それ以外は最大の都市であるイスタンブールの周辺のみがレベル1で、あとはレベル0です。イスタンブールのような大都市では観光客を狙ったスリや強盗などに注意する必要がありますが、これはイスタンブールに限ったことではありません。したがって、シリア国境に近い地域を旅するのでもない限り、安全面での大きな問題はないということになります。

2023年5月現在のトルコの安全情報(外務省海外安全情報より)

 

 ではどのレベルまでなら問題ないでしょうか。これは個人の判断であり、その人の性格や経験によっても変化すると思います。私の場合は、レベル1は問題なしとしています。もちろん、海外に行くわけですから、安全に対する細心の注意は必要ですが、過度に神経質になる必要はありません。例えば、インドやフィリピンなどは、全土に渡ってレベル1以上ですので、レベル1を除外するとこれらの国には行けないことになります。

 

2023年5月現在のインドとフィリピンの安全情報(外務省海外安全情報より)

 

 問題はレベル2の「不要不急の渡航は止めてください」です。「温泉旅など不要不急じゃないか」と言われれば、返す言葉もありませんが、生きているうちに何とか行きたい温泉は、私にとって「不要」ではありません。どうしてもレベル2の地域の温泉に行きたい場合は、事前に現地の旅行会社とメールでやりとりをし、より具体的な情報を得ます。「県単位でレベル2となっているが、国道○号線沿いは全く問題ない」「日が暮れてから、県道○号線を走るのは危険」といった情報が非常に重要です。その上で、旅行会社に車の手配を依頼します。ただ、私も海外旅行に慣れていなかった頃は、レベル2エリアへの旅行など考えませんでしたので、ある程度慣れた人にのみ通じる話です。レベル3以上は絶対にやめた方がよいと思います。

 安全情報のレベルは、常に変化します。例えばウクライナは2023年5月現在、全土がレベル4(赤一色)です。ウクライナにも数多くの温泉があり、以前に旅行を検討したことがあるのですが、当時はレベル0でした。早く元の状態に戻れることを祈るばかりです。